「経営規模によっては法人化にメリット」

賃貸経営において、個人経営と法人経営とではどちらにもメリット・デメリットがあります。経営規模、所得額、家族構成など様々なことをトータルに考えて選択する必要があります。

賃貸経営の法人化には大きく分けて2つの種類があります。「不動産管理会社」と「不動産所有会社」です。

不動産管理会社」は、ご存知の通り、賃貸住宅の管理を仕事とする会社です。建物オーナーから管理(建物管理や家賃の回収など)を請負い、家賃の5%~15%ほどをオーナーが法人へ支払う(移す)ことになります。

不動産所有会社」は、まず会社が賃貸住宅を建てたオーナーから建物を購入します。会社が部屋を貸すことになるため、家賃収入は会社の収入になります。建てたオーナーは、土地のみの所有者となり、会社から地代を得るかたちとなります。

考え方としては、まず個人経営にするのか、法人経営にするのかです。そして、法人経営なら、「管理会社」にするのか、「所有会社」にするのかを考えなければなりません。

そこで、法人化を検討するにあたり簡単な目安を確認しましょう。以下のチェック項目に4つ以上当てはまる場合には法人化を検討してみてもよいと思います。

■不動産所得が年間1000万円超である

■経営する賃貸住宅が複数棟ある

■減価償却費が減少してきた

■支払利息が減少してきた

■所得税をできるだけ節税したい

■オーナーがまだ60代の若さである

■所得を子世帯に移行してあげたい

■所得税率の低い家族がいる

■扶養家族が数名いる

■今後も賃貸経営を拡大したい

個人と法人、この二つの最も大きな違いは税制の違いです。

個人経営の場合でも、減価償却費や支払利息、修繕費、経営に必要なパソコンなどの経費が認められますが、その幅は法人ほど大きくありません。また、所得に関しても、配偶者や生計を共にする家族以外には分散できないので、経営規模が大きい場合には節税効果は薄まります。法人の場合は、出張費、交際費など認められる経費の幅も大きくなります。また、役員には生計を共にしていなくてもなれるので、独立した子供などでも可能です。ただし、事業に参加・従事していることが必要です。所得を分散できる人数も増えるうえ、法人所得を留保することも可能です。

個人経営にするか、法人にするか、これらのメリット・デメリットをしっかり判断して、さらに相続時にどのように資産を分割していくかなどの専門的な判断が必要になります。賃貸経営の法人化については、実績とノウハウがある税理士に相談することをおすすめします。

不動産保全の視点から専門家と連携したお手伝いができるので、お気軽にご相談ください。