福岡市在住の3人のオーナーが「賃貸物件のセルフリフォームを楽しむ」というコンセプトで書いた本を紹介いたします。
この本の読み方は2つあります。ひとつは、オーナー自らリフォームを行うときの手引書として読むことです。オーナー様には管理会社や施工会社からの提案があるかもしれませんが、その方法や費用が適切かどうかを知るために、知識を得ておくことは悪くないでしょう。
もうひとつは、お客様(借主)にDIYをしていただくという発想です。築年数の経った物件にリフォーム費用をかけずに、しかも喜んで住んでいたただくためのアイデアですね。
お客様にDIYしていただく「借主負担型」
これは国土交通省が勧めている「借主負担DIY」という貸し方で、同省からガイドラインも発表されています。古い貸室を家賃を低く設定して貸し出し、借主は その浮いた家賃分で自身でリフォームやDIYで改装できるようにして、退去するときは改装した部分は原状回復する必要がない、というものです。国交省のガイドラインにはオーナー側のメリットとして、・現状のままで貸すことが可能、・借主が自費でDIYを行うので長く住んでくれる可能性がある、・退去した後は、貸出時より設備等の価値が上がっている可能性がある、と説明されています。また借主側のメリットとして、・持ち家のように自分好みにできる、・自費でDIYするから賃料を安くできる、・退去時に原状回復費用を取られない、などと その利点を並べています。
さらにこの本では「DIYのすべてを借主に任せてはいけない」のでオーナーが「入居者と共につくる」ことが大切と主張しています。そのために「この本」を読んでいただきたい、ということです。また「借主負担DIY」で貸す場合は契約書での取り決めが重要なのですが、それについても経験に基づいて言及されています。
異なるジャンルごとに丁寧に説明
そのほかの項目として、賃貸物件で行われるリフォームやDIYについても、いくつものジャンルに分けて紹介しています。たとえば区分所有(分譲)マンションのリフォームでは、・管理組合の許可、・近隣へのあいさつ、・給排水管をどうするか、・変更できる部分と出来ない部分とは、
・遮音性を損ねないようにするには、などの説明が丁寧にされています。
アパートリフォームでは、外壁の補修について自身の築古物件で、既存のサイディングに軽くて長持ちする「樹脂サイディング」を上から施工して遮音性と断熱性を高めたなど、費用を削減しつつ効果を高めた経験に基づく事例を紹介しています。
さらに実践的なテクニックにも触れていて、難易度の低い初級編では、・ふすまや障子が重いとき、・網戸調整の方法、
・便器内の水が止まらないとき、・トイレ詰まり、・クロスとCFシート補修 など。中級編でも、・ペンキ塗り、・クロス張り替え、・蛇口交換、手すり取り付け などと自宅でも役に立つDIYのノウハウが紹介されています。ただし、ひとつひとつの説明については「内容が乏しいかな」とも感じました。セルバ書店から1600円で出版されています。

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