この本は、毎年改訂されて出版されている確定申告のバイブルのような存在です。
すでに、ご存じのことだと思いますが、確定申告の節税ガイドとして大事なポイントについて、本書の内容を紹介させていただきます。
まず「青色申告で節税」
不動産所得は、自身で1年間の所得を計算して税金を納める「申告納税」です。しっかりと帳簿を記録している人には、税金を少しでも軽くしてあげるという趣旨で生まれたのが青色申告制度」です。様々な税の特典を受けることができます。
①特別控除
最低でも10万円。賃貸経営が事業的規模(5 棟か10 室以上)で複式簿記を採用していれば65万円が控除できます。
②青色専従者給与の必要経費算入
一緒に暮らしている妻や親族が賃貸経営を手伝っている場合は、その給与は適正な金額の範囲であれば必要経費になります(白色申告では妻の場合で86 万が上限という制限があります)。賃貸経営が事業的規模であり事前に届け出されていることが条件です。もちろん、給与を受け取った側(たとえば妻)も一定の額を超えれば源泉徴収税を負担する必要がありますが、世帯合計の税負担額は減らすことができます。
③純損失の繰越控除
不動産所得は赤字になったとき他の所得と損益通算(赤字分を他の黒字所得から控除すること)できますが、通算してもなお赤字が残るときは、翌年以降3年間に繰り越して他の所得から差し引いたり、前年が黒字であれば繰り戻して納めた税金を還付してもらうことができます。
つぎに「減価償却資産は定額法と定率法を使い分ける」という提案です。
平成10年4月1日以後に取得した建物は償却方法は定額法に限られていますが、その他の資産(付属設備や構築物等)は定率法を適用することも可能です。どちらも償却できる総額は同じですが、定率法の方が早く減価償却費を計上できます。建物価格を本体とそれ以外の部分に区分し定率法を適用するか、すべてを定額法で償却するとしても、耐用年数を短く設定することによって減価償却費を多く計上できます。
さらに「建物・設備はマメに修繕する」
建物が古くなれば修繕が多く発生するようになりますが、修繕費は必要経費に算入できますので有効な節税対策にもなります。日頃からメンテナンスに気を配り、悪いところがあればすぐに直すという心がけは、安定した家賃収入をもたらします。ただし、必要経費とならず資本的支出とみなされる場合もありますので注意が必要です。
「小規模企業共済等掛金控除を利用する」
その掛金(月額最高7万円)の全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税の節税ができます。
「名義を変えることで所得の分散を図る」
収益性の高い建物を、配偶者や子や孫に名義を変えることによって所得を分散できるので節税の効果があります。方法は贈与か譲渡によって行います。
「管理会社や物件所有会社を設立」
管理会社を設立して管理業務を委託する方法と、一括にサブリースさせる方法と、会社に建物の名義を移す方法があります。
その他にも「相続時精算課税を利用した節税対策」など、分かりやすい文章と図式で説明されています。もし、ご自身で申告されている場合は一読をお勧めします。

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