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経営はカネの出入りをきちんと把握しておくことが基本。バブル崩壊後は、放漫な経営を続けたため倒産した中小企業が多かった。
次いで重要なのがヒト。創業者やオーナー経営者の場合、適切な助言者が身近にいないことはリスクになる。人材不足から事業承継がうまくいかず、経営が立ち行かなくなる企業も多い。
たとえいま事業が好調でも、信頼できる弁護士を探す、使える制度に目を配るなど、企業経営者は倒産のリスクに備え、日ごろから手を打っておくべきである。

平成の30年、経営の進化
バブルからの脱却(1990年代) デフレへの対応(2000年代) 求められる事業の再定義(2010年代)
倒産のシミュレーション
私的整理 民事再生法 破産
倒産を経験した経営者の多くが、「もっと早目に決断をしていれば」と後悔している。後手に回った要因には、「何とかなるのではないか」という、物事を先送りにする気持ちもあるが、倒産についての知識不足も関係している。
倒産のシミュレーションをする際は、関連法制の枠組みだけでも知っておきたい。
破産を回避するうえで大切なのは、経営再建の経験が豊富な弁護士などの専門家を、平時から探しておくことだ。債務の支払いだと、金融機関への借入金は交渉の余地があり最優先にする必要はない。税金や社会保険料などの「公租公課」の滞納は最優先で解消すること。これを怠ると、税務当局から事実上の差し押さえ措置を採られ、半ば強制的に破産へ追い込まれかねない。

自死は会社を救わない 倒産と廃業
中小企業が金融機関から融資を受ける場合、経営者が個人保証をするのが当たり前だった。借金のかたに家屋敷を担保に差し出すことも多く、事業に失敗をすると家財などの一切を失い、家族もろとも路頭に迷うことになる。廃業や倒産に向けられる社会の目も冷たかった。
倒産間際に、自分自身にかけた生命保険を資金繰りに充て、会社や家族を救いたいと最後の手段に出る経営者もいた。しかし中小企業の場合、経営者の会社における存在感はきわめて大きい。経営者がいなくなること自体が、会社にとって最大の危機。病気や不慮の事故で亡くなった場合も同じだ。
保険金を返済に充当すれば、資金繰りが多少改善するかもしれないが一時的である。経営者が自死を選ぶことで、会社は確実に弱体化する。経営者は生きて再生に当たらなくてはならない。

いまの日本では、倒産よりも廃業のほうがずっと多い。その最大の原因は、中小企業の後継者難である。高齢になったオーナー企業経営者の跡を継ごうという子供がおらず、社員に引き継がせるのも難しい。そのような理由から、黒字でも会社の存続を断念せざるを得ないケースが増えている。こうした背景から、M&A(合併・買収)も盛んに行われている。

他山の石とする
人口増加・高成長の時代は、市場の情報をすばやく集め、大きな流れに乗り遅れないことが求められた。しかし市場が縮小する人口減少・低成長の時代は、他社と違うことをしなければ、存続・発展ができない。独自性の追求が、これまでとは比較にならないくらい重要。
失敗のパターンを他社に学び、他山の石とすること。