究極の学習法は、インプットとアウトプットを3:7の割合で繰り返すことだ。
インプットは、必ず「目標設定」とセットで行うべきだ。そうしないと、精度が落ちてしまう。
私たちの心や脳は、10年前のインプットでできている。インプットをする際には、短期的な視点だけでなく、10年後のビジョンを持とう。それを実現するためには何が必要なのかを考えよう
インプットからの2週間で何度も使われた情報は、「重要な情報」として脳に定着する。目安は、2週間に3回以上のアウトプットだ。
著者が提案する究極の学習法は、インプットとアウトプットをどんどん繰り返すことだ。インプットとアウトプットの割合を「3:7」にすれば、もっとも高い効果が期待できる。
1つ目は、「なんとなく」読む、聞く、見るのはNG。インプットとは、「読む」「聞く」「見る」ことによって情報を得て、それを記憶にとどめることを指す。「なんとなく読む」ではなく「注意深く読む」。「なんとなく聞く」ではなく「注意深く聞く」。「なんとなく見る」ではなく「注意深く観察する」。ザル読み、ザル聞き、ザル見にならないよう、注意深く意識して脳に情報をインプットしよう。
2つ目は「インプット」と「目標設定」を必ずセットで行うことだ。 「なんのためにインプットするのか」を考えなければ、どこに向かっていいのかわからず、インプットの精度が落ちてしまう。インプットを行うときは、必ず「方向性」と「ゴール」をペアで設定するようにしよう。
たとえば、「ワーキング・ホリデーでオーストラリアに行きたい!」というゴールがあったとする。必要な語学力を「TOEIC®450点」、期限を「2021年4月まで」とすると、具体的な方向性が見えてくるはずだ。
3つ目は、インプットとアウトプットは表裏一体だということだ。インプットとアウトプットは別々のアクションではなく、同時進行で処理されていることが多い。たとえば日常会話では、「聞く」はインプット、「話す」はアウトプット。これらは完全に交互に行われているわけではない。話を聞きながら、次に話すことを頭の中に思い浮かべているだろう。「聞く」と「話す」を同時処理しているのだ。
インプットとアウトプットは切り離せないものであることを認識するとともに、同時処理することを意識しよう。そうすれば、学びの質を高められる。
科学的に記憶に残る本の読み方
1つ目は、学びにはいくつかのステップがあり、読書はその最初のステップにあたるということだ。いきなり高度な学びにチャレンジしようとしても、効率が悪い。時間とお金を失うだけだ。
たとえば、心理学を勉強してみたいと思っていたとする。そんなときは、いきなり高額な心理学講座を受講するのではなく、本を1冊読んでみよう。いきなり講座を受けると、「自分が学びたかった心理学とは違う」「難しすぎてついていけない」などと感じることもあるし、その結果、時間もお金も失うことになりかねない。本を入口として心理学の基本を学び、自分が特に関心を持っている分野などが見えてきたら、講座やセミナーなどに通ってさらに深く学んでみるのもいいだろう。
このように、「学びのステップ」を把握して段階的に学ぶことで、最短、最速でコスパよく自己成長することができる。
2つ目は、「月10冊」より「月3冊+アウトプット」を目指すということだ。いくら本を読んでも、アウトプットしなければ記憶には残らない。感想を書いたり読んだ内容を誰かに話したりと、インプットとアウトプットをペアにしてはじめて、本の内容が身についていく。
3つ目は、アウトプット前提で「深読」を行うということ。「速く読む」「たくさん読む」ことよりも、内容について議論できるくらい「深く読む」ようにしよう。
「深読」できるようになるには、「アウトプット前提」で読むことだ。本の感想を書くつもりで読めば、それだけで深く読めるようになるだろう。
学びの理解が深まる話の聞き方
1つ目は、生で聞くことだ。読書を習慣化できたら、セミナーや講演などで直接人から話を聞くステップに移ろう。本は文字だけのコミュニケーション、すなわち「言語的情報」だ。一方、セミナーでは、視覚的情報や聴覚的情報という「非言語的情報」もキャッチできる。そのため、受け取れる情報が段違いに多く、記憶にも残りやすい。
2つ目は、セミナーや講演を最前列で聞くことだ。適度な緊張は学習効率を最大化する。うしろのほうでひかえめに聞くよりも、最前列で講師から非言語情報をたくさん受け取りながら、「急に質問されるかもしれない」という緊張感を持って聞こう。
3つ目は、セミナーや講演を前を向いて聞くことだ。一言ももらすまいと熱心にメモをとる人もいるが、すべての内容を書き留める必要はない。前を向いて聞いて常に「非言語情報」を受け取り、本当に重要な「気付き」を得たときだけメモに残すようにしよう。
すべてを自己成長に変えるものの見方
1つ目は、観察することだ。観察力を高めると、受け取れる情報が増える。そうすると、人の気持ちを察することができるため、人間関係が良好になる、変化に敏感になって流行を先読みし、ビジネスチャンスをつかめるなどといったメリットが得られる。
2つ目は、観察力を磨くことだ。観察力を磨くには、やはりアウトプットを前提にすることが有効である。「あとでブログに書こう」と考えたら、必然的に普通の人の目には入らないような情報まで取り込めるようになるだろう。
日常の出来事の中で生まれる「なぜ?」を突き詰めるトレーニングも効果的だ。道行く人が花束を持っていたら、その人の服装や表情などから、境遇を想像してみる。新作ゲーム発売の行列を見かけたら、そのゲームについて調べてみる。「観察+なぜ?」によってさらなる観察が生まれ、観察力を鍛えることができる。
3つ目は、テレビを「ただの娯楽」ではなく「貴重なインプット源」にするということだ。
日本人のテレビ視聴時間は読書時間よりも長いことがわかっているが、多くの人はテレビで見た内容をほとんど記憶していないはずだ。これでは時間がもったいない。ここでもアウトプットを前提に見ること、そしてネタを探すつもりで見ることで、インプットの質を高めることができる。
4つ目として、効率的にテレビを見る3つの方法を紹介しよう。まず、ダラダラとテレビを見続けないよう、録画したものを観るということ。次に、「TVer(ティーバー)」という民放公式テレビポータルを活用して、移動中などのスキマ時間にテレビを見ること。そして最後に、運動しながら見ること。著者は、ウォーキングマシンで歩きながらテレビドラマを見ているという。
あらゆる能力を引き出す最強の学び方
人と会う
「人と会う」ことは、自己成長の加速装置であり、究極のインプット術でもある。
遊ぶ
娯楽には2種類ある。「受動的娯楽」と「能動的娯楽」だ。前者は、テレビ、ゲーム、ただスマホを見るなど、ほとんど集中力を使わず、スキルも必要としないもの。後者は、読書、スポーツ、ボードゲーム、楽器演奏など、集中力が求められ、目標設定とスキルの向上を要する娯楽だ。この2つの概念を提唱した教授によると、能動的娯楽は自己成長を生むが、受動的娯楽は時間の浪費であるという。
うまく遊ぶためのコツは2つ。まず、スケジュール帳に記入することだ。遊びの予定が決まったらすぐ、スケジュール帳に記入しよう。それが重要な遊びなら、優先して予定を確保すべきだ。
次に、遊びのTO DOリストを書くことだ。著者は毎朝作るTO DOリストに、映画の予定を書きこむことがある。映画の時間とタイトルを書くことで、その時間までに仕事を終わらせようという緊迫感が生まれ、結果として仕事のパフォーマンスが上がることを実感しているという。