1つのテーマに3か月間、しっかり向き合えば確実に変化を起こせる。

3か月間で取り組むテーマは、みんなが注目していない分野で、ワクワクするものを選ぶとよい。

目標設定では、自分でコントロールできるゴールをもち、高いモチベーションを持続するために、世の中の「問題解決」につながるかどうかを意識することが重要だ。

3か月の行動に優先順位をつける際には、「やらないこと」を決めるとよい。

「3か月」で人生は変わる
3か月間、1つのテーマに取り組む

何かをつかめる、何かが変わる。こうした手ごたえを得るのに必要な期間が「3か月」である。佐々木氏自身、勉強や仕事、起業準備など、人生の転機となるテーマに取り組む際は、3か月という期間を積極的に活用していたという。極論すると、この期間は、1つのテーマに毎日全力投球して集中できる限界でもある。3か月なら、飽きることなく高い関心を保って楽しく取り組める。

この間、1つのテーマにしっかり向き合えば、何かしらの成果を出し、自分の成長を実感できる。3か月は確実に変化を起こせる最小単位なのである。

3か月がポイントとなったfreeeの開発

まずは3か月間で、原型を自分でつくればいいのではないか。佐々木氏は仕事の合間に、寝る間も惜しんでプログラミングを独学した。その結果、3か月後には「freee」のアイデアを具体化でき、「最悪、自分一人でもそこそこつくれるかもしれない」という手ごたえを得られた。そして次の3か月のテーマは、「freee」をビジネスとして展開させるうえで、それに耐えうる仕組みをともに開発・運用できる仲間探しへとシフトしていった。

3か月の「テーマ」を決める
ニッチな分野で、ワクワクするテーマを

では3か月間取り組むテーマをどう選ぶのか。まずは、自分の心がワクワクするかどうかである。3か月間で取り組むテーマは、みんなが注目していない分野から選ぶとよい。こうした分野はあまり投資や開発がされていない「穴場」であることが多いからだ。その結果、世の中にインパクトを与える成功体験が生まれ、自分の人生を好転させることにもつながる。

「やりたい」と「できる」の重なりを見つける

みんなが注目していないニッチな分野でワクワクするテーマが見つかったら、次はそれが自分に「できそう」かどうかを考えてみる。か月間取り組みたいテーマが見えてきたら、こう自問してほしい。「その解決策は本当にベストか、価値があるのか」。この問いがブレない軸をつくるきっかけとなる。

3か月の「ゴール」を決める

現実には妥協を強いられる場面もあるが、「理想までの溝を埋めるためには何が必要だろう」と考える習慣をつけておけば、自分の能力を自ら制限することはなくなるだろう。

目標は「自分がコントロールできること」

目標設定の肝は、自分でコントロールできるゴールをもつことである。自分でコントロールできない目標を立てると、達成のために具体的にすべきことが見えづらく、不安も生じやすい。よって、ゴール設定では「売上100万円(達成目標)」ではなく、その一歩手前の「クライアントへの訪問件数20件(行動目標)」というように、自分がやるべきことにフォーカスする必要がある。そうすれば、やるべきことの優先順位がはっきりし、具体的なアクションにつながりやすくなるため、目標が実現する可能性も高まる。

世の中の「問題解決」につながるか

自分だけの刹那的な喜びのために行動していると、モチベーションを長く保つことはできない。世の中に貢献するという発想こそが、ゴールに向かうための原動力になる。

3か月の「時間泥棒」を見つける
意思決定の「型」をもつ

佐々木氏は、「こういう場合は、こうする」と即座に判断できる「型」をもっておき、迷う回数を最小化している。

個人でも組織でも、意思決定の回数を減らす「型」づくりは、迷う頻度を減らし、物事をスムーズに進めやすくしてくれる。

3か月の「生産性」を高めるスケジューリング
「やらないこと」を決める

向こう3か月の行動に優先順位をつけるとき、佐々木氏は「やらないこと」を決めるようにしている。「やらないこと」を基準にフィルタリングすれば、「今はやらなくてもいいこと」を大いに削減できる。すると、「すぐ取りかかれて、かつ絶対にやるべきこと」があぶり出される。それらをスケジュールに組み込んでいけば、時間に追われて余裕を失わないで済む。


成功は、アウトプットしなければ始まらない
とにかくやってみる「アウトプット→思考」

3か月など一定期間で成果を出そうとするなら、細部にこだわりすぎず、まずは一周するまでやってみるほうがよい。わからない部分が多くても、とりあえずできたという達成感を、できるだけ早い段階で味わえるようにすると、モチベーションを維持したまま3か月を走り抜けられる。
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深く掘り下げる「ハックエブリシング」

自分が担当するサービスについて、深く調査したり勉強したりして熟知することで、「このツールは、こんな活用の仕方もあるかもしれない」と、新たな発想が生まれることも多々ある。そのサービスに価値があると思うのなら、自分たちで磨き上げて、一番のマニアになることが欠かせない。

現状から一歩抜きんでて新たな価値を創造するためのカギは、意外と自分の足元に転がっていることが多い。それを深く掘り下げ、習熟することで、限界を越える発想が生まれる。