自分の「強み」ではなく「持ち味」を生かした転職をするとよい。自分の資質を見極め、キャラをはっきりさせて、自分軸を育てていくことが重要。
人にはそれぞれ向き不向きがあり、それぞれ持ち味がある。仕事を選ぶときは稼げるかどうかよりも、自分に向いていることを選ぶほうが得策。
強みではなく、持ち味で勝負せよ、上だけをめざさずに横へ移る
キャリアというと、その会社で上に登っていくことをイメージしがち。しかし上に行けば行くほど、熾烈なポジション争いが待ち受けている。著者がすすめるのは、視点を変えて「横の山」に登ること。対象となるマーケットを移し、そのマーケットでよそ者の視点と知見から、新しい価値を提供するのである。
キーワードは「逆張り」。ライバルがいないか少ない「アウェイ」にスライドし、自分の資質や経験の中から相手に喜んでもらえそうなことを行う。好例といえるのは、お笑いの世界で時代をつかんだ西野亮廣さん。彼はお笑いでの知見を生かし、絵本作家、オンラインサロンなど、新たな事業を次々と当てている。
どんなに儲かる仕事でも、自分に向いていなければ活躍できない。そして、向いている仕事であることを前提にすれば、儲かる業界や組織に移った方がよい。儲かりにくい業界は、どんなに大変な仕事でも利益が出にくく、それゆえ年収が上がりにくい。
自分軸でキャリアを形成するには、事業のライフサイクルの中で自分がフィットするフェーズはどこか、自分に合った居場所、つまり市場はどこなのかを決めるとよい。絞った市場において、自分のキャラで活躍して成長をめざすのが理想的だ。
事業ライフサイクルは、「導入」「成長」「安定」「衰退・再発展」から成る。それぞれのフェーズで、活躍できる人材タイプは異なる。新しいことを考える人材は導入期、走りながら今のビジネスを太くするタイプは成長期、ルールに沿って今のビジネスを太くする人材は安定期、といった具合。それぞれ求められる能力と資質が異なるため、自分に向いているフェーズを見極めることが必要。
複数の企業からオファーがきて迷ったときは、NO.1がある会社に入ることを著者はすすめている。その場でしか得られない経験や人とのつながりができるためだ。